栄養士のつぶやき 第1回(2024年9月)
栄養コラム
栄養士のつぶやき 第1回(2024年9月)
こんにちは。
群馬大学医学部附属病院脳卒中・心臓病等総合支援センター『栄養コラム』です。
皆さまの健康をサポートするための栄養に関するお話をお届けします。
「塩分」についてのお話
こんにちは。
管理栄養士の下谷です。
9月になり、暑かった夏から秋の気配が感じられる頃ですね。
さて、今回は、脳卒中、心臓病どちらにも関わりがある「塩分」についてのお話です。
塩分は高血圧と非常に密接な関係があり、脳卒中、心臓病、血管病の発症と大きくかかわっています。日本人では世界と比較して、脳卒中でも脳出血が割合として多い要因として関連図けられることもあります。日本人の平均塩分摂取量は1日約10g程度と言われています。戦後の日本では、一部の地域において30g程度摂取していたころもあるので、だいぶ減ったような印象もあります。
しかし、推奨される塩分摂取量は男性で7.5g/日未満、女性で6.5g/日未満、高血圧などの既往がある方は6.0g/日未満といわれています(日本人の食事摂取基準2020年度版より)。日本人はたくさん塩分を摂取してしまっているのが現状です。塩分に気をつけなくちゃ!と思っても、何に気を付けたらよいのか、迷われる方も多いと思います。食事を作る度に塩分を測るのも、毎日となると大変ですよね。
食事療法の最初のステップとして、まずは「塩分を減らす=減塩」を意識していただければと思います。
減塩のポイントをご紹介しますので、今日からぜひ実践してみてください。
<減塩のポイント>
- お味噌汁は1日1杯、具だくさんで汁は少なく
- 野菜・きのこ・海藻でカリウムと食物繊維を摂取
- 麺類の汁は残す
- 醤油やソースなどはかけずに小皿に出してつけて食べる
- 梅干しやお漬物は控えめに
※なお、みそ汁の塩分濃度は1%程度といわれています(ちなみに海水は3.4%くらいですので、みそ汁と比較して、かなりしょっぱいですよ!)。お椀一杯で1.2―1.5gくらいの塩分なので、1日1杯が減塩に良いといわれる理由です。
11月17日、当センター主催群馬県庁で行われる「健康と医療を考える」において、減塩みそ汁のコツを私がご紹介しますので、是非ご参加ください!
群馬大学医学部附属病院 管理栄養士(日本循環器学会認定心不全療養指導士)
下谷 幸